ベーカリーシェフが生み出すル・タンショップの新たな名物 特別賞受賞に輝いた、果実味あふれるレーズンパンが出来るまで
【Profile】
ベーカリーシェフ 松木 崇至
2004年に神戸に拠点を置く大手ベーカリー企業へ入社。パン職人として研鑽を積む。
2022年にホテルグランヴィア京都へ入社し、2023年よりベーカリーシェフとして製パン部門を率いる。
優れたレーズンパンレシピを選出するコンテストで特別賞を受賞
「過去に受賞経験のある参加者は、一般の参加者より厳しい審査基準が設けられてしまうので、“必ず勝ち抜く”という強い想いで挑みました」。
フォルムはシンプルな楕円型に。「インパクトと斬新さを意識したデザインにし、模様で奥行きを作り差別化を図りました」。
また、デザインにもオリジナリティを追求。「カリフォルニア・レーズンの故郷であるカリフォルニアの海からインスピレーションを受けて、波や風を彷彿とさせる有機的な模様を施しました。クープ(切れ目)からのぞく生地は、ベリーを印象づけられるよう、鮮やかなピンク色に仕上げています」と、視覚的にもひと味違う工夫を盛り込んでいます。
【大会当日の様子】
最終審査会場では制限時間内に作品を製作。段取りの良さや清掃をこまめに行っているかなど、細部まで審査されます。
レシピ開発にかける想いやこだわりをプレゼンテーションするベーカリーシェフ 松木。
仕込みから完成まで丁寧に工程を重ね、虜になる風味と口当たりを実現
ひたして寝かせたコラトゥーラレーズンはつやつや。みずみずしく口当たりのいいカリフォルニア・レーズンは、サラダやスープ、スイーツなどさまざまな料理と相性のよい食材。
さらに、レモン果汁と塩を加えた液で2日以上漬け込んだソルト・レーズンを仕込みます。塩味で甘みを引き立てたコラトゥーラ・レーズンと、爽やかな塩味をほのかに感じるソルト・レーズンを合わせることで、味に深みと奥行きが生まれるのです。
この生地をベースに、甘みと酸味のあるラズベリーピューレとストロベリーの濃縮果汁、鮮やかな色を生み出すビーツパウダー、チョコチップを加えて捏ねたものに、コラトゥーラ・レーズンをたっぷりとのせて分割し、発酵させます。
フルーツの酸味や小麦の甘みが絶妙に調和し、しっとりとした口あたりに魅了される「シャルマン・ルージュ・レザン(魅惑の赤ぶどう)」。レギュラーサイズ1,200円、ハーフサイズ700円。
ご自宅でのペアリングにはオリーブオイルがおすすめ。赤ワインを合わせるとより芳醇に、白ワインを合わせるとさっぱりとした味わいが楽しめる。
生産地へ赴き、素材を大切にするパン作りへの想いが高まる
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| 広大な敷地に広がるレーズン畑。毎年、1月に枝を剪定、春には若芽を出し、やがて開花。真夏の太陽のもとで果実を実らせ、収穫に至るまでに3年以上を要します。年間を通じ丁寧かつ衛生面に特化する事で、上質なレーズンになります。 | ||
「20代の頃、はじめてコンテストを目指したきっかけは、この研修旅行がとても魅力的に感じたことです。必死に技術を磨いたとしても、外に出ないと視野が狭くなってしまうと思っていて。世界に出て、自分の力で知見を広めたくて挑戦を始めました」と、現地視察の重要さに熱い想いを抱いています。「実際に生産地に足を運んで、普段目にする乾燥した状態ではない、みずみずしく実ったレーズンを見て感動した」と言います。愛情を込めて育てる生産者さんとの交流を通し、よりおいしい食材の魅力を引き出したいと、より一層意欲が増す研修旅行となりました。
「もともと、ものづくりが好きで、いつも頭の中では“この素材をこう組み合わせたら良さそうだな”とアイデアを巡らせています」。
コンテストや海外研修という貴重な経験を通して、技術や知識、人脈、柔軟な発想を持ち合わせたベーカリーシェフ 松木は、次にどんな驚きと感動を与えるパンを作るのか。ペストリー&ベーカリーショップ『ル・タン』は、これからもお客様の記憶に残る商品をお届けしていきます。

