- トップ
- レストランWEBマガジン
- 宿毛湾漁港直送の魚の美味しさを分かち合い お客様が笑顔になる料理を届けたい
宿毛湾漁港直送の魚の美味しさを分かち合い お客様が笑顔になる料理を届けたい
宿毛湾の魚を知り尽くす[与力水産]とのつながり
-
宿毛湾は、中型・小型まき網漁業やひき縄釣り、一本釣りなどさまざまな漁法が行われていることから捕れる魚の種類が多彩です。
-
-
宿毛湾で水揚げされる魚は、恵まれた環境で育つためほどよく脂がのり、黒潮と豊後水道の海流に揉まれることで身が引き締まるそうです。
-
魚の状態を説明する[与力水産]の吉村社長(写真右)と聞き入っている総料理長 柏木(写真左)。競り落とした魚は[与力水産]が下処理を全て手掛け、鮮度が保たれた状態で[ホテルグランヴィア京都]へ直送されます。
過去には、大きいサイズのオオモンハタを使う料理を提供することになり、漁師さんとのつながりが強い吉村社長に依頼。オオモンハタ狙いで船を出すなど、さまざまな要望にも柔軟に対応してくれる頼もしい存在です。
吉村社長は日々競りの現場から、水揚げの状況や魚の状態を料理長 鈴木に電話で報告。漁法や魚の締め方まで丁寧に伝えてもらえるので、安心して仕入れることができます。プロの目利きはもちろん、細やかな対応をしてくれる信頼のおけるパートナーです。
宿毛湾の魚がシェフの創造力を掻き立て遊び心溢れる料理が生まれる
コース料理の最初に提供するアミューズは、その日のトロ箱の魚を見ながら料理長 鈴木がアミューズ担当とともにメニューを組み立てていきます。
この日のトロ箱には、クエ、クロムツ、アカヤガラ、アカハタ、オオモンハタ、イサキ、ウスバハギなどが入っていました。アカヤガラは全長の3分の1が口という珍しい魚。一般的なスーパーなどではあまり見かけませんが、料亭などでは高級食材として扱われています。
「グランドメニューを変えることはできないけれど、アミューズは産地直送の魚を色々な仕立てで提供しているので、自由度があるんです。このメニューをつくるからこの魚を仕入れるのではなく、この魚があるからこのメニューにしたという方が、お客様に伝えられることがたくさんある。素材を活かす料理をつくることが料理人の醍醐味でもあり、腕の見せどころでもあります。」
-
ブイヨンスープは魚の骨や頭からとった出汁を丁寧にこし、味付けは塩のみ。新鮮な魚のアラだからこそ、シンプルな味付けで美味しいスープに仕上げることができるのです。
-
宿毛湾の魚を全メニューに取り入れたアミューズの一例。魚のチュイル(写真左)、鰤の生ハムと水茄子(写真中)、アオリイカのムース 完熟梅添え(写真右)、ブイヨンスープ(写真右奥)。
宿毛湾の魚が7種も味わえる手間暇を惜しまないブイヤベース
-
白身ながら濃厚な旨みがあり全体に脂がたっぷりとのっているクロムツは、グリルをして香ばしく仕上げます。
-
この日の魚は、上から時計回りにクロムツ、ヨコスジフエダイ、ウスバハギ、オオモンハタ、アカヤガラ、クエ、アカハタの7種類。スープはサービススタッフがお客様の目の前で注ぎます。
「日々吉村社長と電話でやりとりしているので、地元での食べ方や味の特徴などを聞いて料理に取り入れたこともあります。マンボウは湯掻くとイカみたいな口当たりで、高知ではマヨネーズをつけて食べるとお聞きし、サラダ仕立てにしてお客様に提供しました。現地との強いつながりは、料理のアイデアや調理法にも活かされ、新しい料理が生まれているんです。」
魚の出汁の旨みを活かしたあっさり×スパイシーなカレー
-
魚の出汁の旨みが広がるカレーには、宿毛湾で捕れたトウゴロウイワシを素揚げしたものをトッピング。鱗のパリパリ感がアクセントになっています。
-
宿毛湾を訪ねた総料理長 柏木(写真右)と、届く魚の状態を把握している料理長 鈴木(写真左)がタッグを組み、お客様に喜んでいただけるメニューを考案しています。
「吉村社長や宿毛湾の魚への感謝の気持ちがあるからこそ、素材を無駄なく使いたいですし、お客様に宿毛湾の魚の美味しさを届けたい。鮮度のいい魚を一番いい状態で提供することはどこにも負けていないという自信があるので、現地へ行かずとも体験できる美味しい感動で満たされる喜びを味わっていただきたいです。」
今後も宿毛湾漁港とのつながりを深め、情熱と技術を持って調理し、お客様と美味しさを分かち合いたい。料理長 鈴木は、お客様の心が豊かになり、笑顔になる料理とは何かを追求しながら、今日も魚と会話しています。
※記事の内容は2024年7月時点のものです。

